よくあるご質問
Q3 海外に留学するために、大学が発行した卒業証明書にアポスティーユを取得するよう要求されています。卒業証明書にアポスティーユを付与してもらうことは、できますか?
A.
海外の大学・教育機関に提出する目的で、大学が発行した卒業証明書にアポスティーユ(Apostille)を取得したいというご相談をいただいております。しかし、現在の日本の国公立大学・私立大学が発行する卒業証明書については、原則として外務省によるアポスティーユ認証の対象外とされています。
アポスティーユの対象となる公文書とは?
ハーグ条約第1条によれば、アポスティーユの対象となる「公文書」とは以下のようなものです:
- 国の司法権に関係する当局または職員が発行する文書
- 行政機関の発行する文書
- 公証人による公正証書等
大学が発行する卒業証明書は、これらのいずれにも該当しないため、直接アポスティーユを取得することはできません。
例外的にアポスティーユ対象となるケース
外務省の見解によれば、以下のような文書はアポスティーユの対象となることがあります:
- 「国立大学法人に移行する前」の国公立大学が発行した卒業証明書
- 法人化前に発行された「学位記」など
これらは行政機関による文書とみなされ、公文書としてアポスティーユの対象になる
可能性があります。
アポスティーユ以外の対応方法
現在の国公立・私立大学が発行した卒業証明書については、以下のいずれかの方法で外国提出用の認証文書として利用可能です。
- 公印確認+領事認証(非ハーグ条約国の場合)
- 学校教育法第1条に定める学校(例:大学・高校など)が発行した卒業証明書は、外務省で公印確認を受けることができます。
- その後、提出先国の在日大使館または領事館で領事認証を受ければ、アポスティーユに代わる証明手段として利用できます。
- 宣言書+公証人認証+アポスティーユ(私文書としての扱い)
- ご本人が「添付の卒業証明書は○○大学により発行された真正なものである」と明記した宣言書を作成
- 卒業証明書を添付し、私文書として公証役場で公証人の認証を取得
- 公証人の所属する法務局の証明を経て、外務省でアポスティーユを取得
この方法を取ることで、事実上アポスティーユが付与された卒業証明書として海外に提出することが可能です。
提出先の要件を必ず確認しましょう
アポスティーユの要否や証明方法は、提出先の大学・教育機関やビザ申請機関によって異なります。
必ず事前に「アポスティーユが必要なのか」「公印確認+領事認証でも受理されるか」など、提出先機関に確認を取ることが重要です。